クルシマ製作所
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惣流・アスカ・ラングレー(スクール水着)
製作記
(2008年7月製作)
Making Of Kurushima Seisakujyo
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Soryu Asuka Langley 
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片山博喜氏原型の名キットです。 アスカの水着姿のフィギュアとしては珠玉のアイテムかも。 今なお(2008年現在)販売されているロングセラー商品でもあります。


さて部品チェックを済ませて、型抜きの際に塗布される離型剤を落とすために洗浄します。 まずは中性洗剤溶液に浸けて数日放置します。


中性洗剤+クレンザーを電動歯ブラシに付けて表面を磨きます。 入り組んだ所は特に重点的に磨きます。


洗浄後は乾燥させます。くぼんだ所に水がたまって水垢になるとイカンので エアーを吹き付けて飛ばします。


洗浄、乾燥が終わって表面処理を開始します。


左腕のパーツに気泡群を見つけてしまいました。今回はサフレス塗装をしたかったので 溶きパテなどを使わずに同色のレジンを流し込みます。 まずはデザインナイフなどで写真のように気泡を広げてレジンが流し込みやすい様にします。


レジンを割り箸の先などに付けてちょんちょんと乗せていきます。 レジンはこの場合少量しか混合しませんが少量故、A,B剤が1グラムでも多かったり少なかったりすると 発砲してしまうので注意します。


レジンを乗せたらサラサラの内に空気を吹き付けて気泡を抜きます。エアブラシだと風圧が強すぎて吹き飛んでしまうので カメラレンズのゴミ取りなどに使うエアブロアーを使います。


硬化後、整形して気泡処理完了です。これで大手を振ってサフレス塗装が出来ます。


この技法の応用でパーティングラインの段差なども処理しました。


後は通常通りにペーパー掛けしての表面処理です。


後ろ髪のパーツは気泡対策&補強等のために髪の谷間(?)がバリで埋め尽くされています。デザインナイフなどで丁寧に切り取っていきます。


くるりと巻いてある部分は棒丸ヤスリなど荒削り、後に丸めたペーパーで磨いていきます。


指が入りにくいような場所は弓サンダー(松井のオリジナル工具)で磨きます。


前髪パーツの谷間は目立てヤスリなどで荒削りします。目立てヤスリをつかんでいるのはハンドバイス、大きいグリップの方が力を入れやすくなります。


このフィギュアの大きなアピールポイントである肩紐(?)です。ここは合わせ目を処理しなければならない関係上、塗装前に接着します。


まずは瞬間接着剤で接着します。以外と隙間が大きいです。


アルテコを盛って隙間を埋めます。


硬化後、余分なアルテコを削り落とし、しわのディテールを潰してしまわないよ注意します。


傷消し&状態確認のために溶きパテを塗布します。


ペーパー掛けをして処置完了です。


飾り台への取り付け用にナットの埋め込み作業を行います。まず、2oのドリルで接地部分の頭部とお尻に穴を掘ります。


次に4.5oのドリルでナットが収まる穴を掘ります。以外と簡単に掘れちゃうので貫通したりしないよう注意します。


掘り終わったナット埋め込み穴。


エポキシ接着剤を使用してナットを固定しますが、2oビスにシリコングリスを塗布して接着剤がくっつかないようにして2oナットをはめます。


エポキシ接着剤を塗りたくってナット埋め込み穴に挿入!硬化後、ビスを抜き取ります。


はみ出したエポキシ接着剤を削り取って、ナットの埋め込み作業完了です。


塗装時の保持用&軸打ち用に3oのドリルで穴を掘ります。


3oだと太すぎて使えないような部品には1oの穴を掘ります。さらに小さい部品の場合は0.5,0.3oを使用します。


塗装前作業完了!


下地にメタルプライマーを吹き付けます。レジンサフを使用していたこともありましたが、サフレス塗装は出来ませんし、グレー下地から白下地にするのに大量の白と時間がかかったので特殊な場合をのぞいてやめてしまいました。


んで、メタルプライマーを吹き付けた状態です。ただ単にクリヤーを吹き付けたようになります。


肌色の塗装に入ります。サフレス塗装用のオリジナルブレンド色です。クリヤー3に対し、クリヤーオレンジ1、その他少々混合しています。「FC」は「フレッシュ、クリヤー」の略です。非サフレス塗装用のモノと分けてあります。


肌色の吹きつけ、艶消し処理をする場合、少し濃いめに塗布します。


C182スーパークリヤー艶消しを吹き付けます。濃いめだったのがだいぶ落ち着きます。


頭部の髪留めにC79モンザレッドを吹き付けます。こちらは光沢処理です。


ひたすら根気のマスキング作業、ですがこのキットはまだ楽な方です。モノによっては塗装している時間よりマスキングしている時間の方が長いモノもあります。


肩紐の奥の方にもマスキングテープをきっちり差し込んでいきます。


腕の方はテープを使う必要がないので紙を巻き付けてマスキングします。


マスキングテープをぴっちり張り付けたつもりでも隙間が発生している可能性があるのでマスキングゾルを塗りたくります。


髪留めは細切りのマスキングテープを塗り分け部分に巻き付けて、残りはマスキングゾルを塗ります。


髪の毛の影色を作ります。後で顔塗装の際にも使うので多めに作って瓶に保存します。 使用した色はC7ブラウン、C59オレンジ、C173蛍光オレンジです。配合比率は忘れました…っていうか欲しい色が出るまで適当に混合しているので判らないと言うのが本当のところです。


髪の毛パーツ代表と言うことで後ろ髪。先ほど作った影色を吹き付けます。なんか光沢ぶりが海洋軟体生物みたいです。


次に髪の毛の明るい色を作ります。使用したのはC4イエロー、C172蛍光イエロー、C173蛍光オレンジ、配合比率は影色同様に判りません…


明るい色を完成状態で光が当たる方向から吹き付けます。出っ張ったところにのみ塗料が乗って、奥まった影色部分が残って立体が強調されます。

吹きつけ塗装は奥まったところに塗料が入りにくいという弱点を逆に利用した技法ですが、暗い色の上に明るい色を塗るという塗装の原則に反する方法で、発色が鈍るコトを計算した上で明るい色を作らないといけないので、ちょいと難しい技法です。


次に取り出しましたるは隠蔽性の強いベースホワイトです。


充分に薄めたベースホワイトでハイライトを塗っていきます。一気に塗ろうとせずにうすーく、ほそーく丁寧に根気よく吹き付けていきます。


C182スーパークリヤー艶消しを吹き付けて調子を落ち着かせて髪の毛の塗装完了です。


スク水の塗装にかかります。ベースとした色はC326ブルーFS15044です。まずC01ホワイトを20%程混ぜたモノを吹き付けます。


C326原色を影色にして吹き付けます。


C01ホワイトにC326を10%程混ぜたモノをハイライトにして吹き付けます。この後C181スーパークリヤー半光沢を吹き付けてスク水塗装完了、なんですが…


ぎぃやあぁああああぁあっ!!
マスキングを剥がしたらこの有様…離型剤が残っていたようです。


もーこうなりゃ開き直って塗り直しです。シンナーで塗装を前部落としちゃいます。肌色、髪、スク水と塗っていきますが…


ぎぃやあぁああああぁあっ!!
シンナーで洗ったのに、洗ったのにぃぃいいいっ! どこまでしつこい離型剤でしょうか…


さらに開き直って、もうスポンジヤスリで表面を一皮むいちゃいます。いやー、塗膜がボロボロ剥けます…


3度目の正直でここまで出来ましたー!もう無駄に長い道のりでした…


顔の塗装に取りかかります。目の肌色の塗膜をデザインナイフで削り落とします。レジン地がそのまま白目になります。


C73エアクラフトグレーで白目の影を入れます。


今回アスカの碧眼はC80コバルトブルーをベースにします。まずホワイトにC80を5%ほど混ぜたモノを塗布します。


C80の比率を少し上げたモノを塗布します。


さらに比率を上げます。


もういっちょ!


C80原色を塗布します。ついでといってはナンですが、髪の毛の影色で眉毛も書き入れます。


C02ブラックで睫毛、瞳の輪郭、虹彩を書き入れます。


ベースホワイトでハイライトを入れます。


クリヤーオレンジで二重瞼を書き入れます。


エナメルのクリヤーを目全体にやや厚めに塗布して目の塗装完了です。


エナメルのクリヤーにクリヤーレッドをほんのちょっと混ぜた色を作ります。


口に塗布して、うっすらとピンクの唇にします。塗りすぎるとケバくなっちゃうので注意します。


かくして塗装作業完了です。毎度のコトながら、手足などが突き刺さっているこの光景はシュールです。


組み立て作業に取りかかります。まず接着面の塗膜をリューターで削り落とします。


組立作業時は汚れ対策のため作業台の上に綺麗な紙を敷いて行います。


軸打ち用の2oアルミ線です。このまま使用しても悪くないのですが…


棒ヤスリを押しつけながら転がします。


そうするとこの通り、表面がギザギザになり、接着剤の喰いつきが良くなります。ちなみにこのような加工方法を「転造」といいます。


組立を開始します。このアスカの場合は頭部と腰で支える形になっているので、それらから組み立てて安定した状態にします。


軸打ち用の穴は3oで開けてあり、2oのアルミ線を入れると隙間が出来ますが、その隙間にエポキシ接着剤を充填します。この方法だと多少穴がずれていても無理なく合わせることが出来ます。


接着剤が硬化するまで押さえておきます。ちなみに使用しているエポキシ接着剤は15分硬化型です。5分硬化型もありますが、あまり早いと位置決めしている最中に硬化してしまったり、複数箇所を同時に接着する場合につける前に硬化してしまったりと融通があまり利きません。


かくして、スク水アスカ本体完成です!


飾り台の製作です。今回は「立て掛け展示」にします。使用する飾り台は木製八角(大)時系列的に前後しますが、クリヤーニスを吹き付けます。ニスを使用するとフィルターのつまりが尋常じゃないので、クッキングペーパーを臨時フィルターにします。


二度ふきしてニス塗り完了です、良い光沢になりました。


こちらはキット付属の「NERVベース」です。


裏返して端に両面テープを貼ります。


木製飾り台に位置決めをして貼り付けます。


アスカを裏返して頭部とお尻に埋め込んであるナットの穴に一直線にマスキングテープを貼ります。


台の上に置いて位置決めをし、小さく切ったマスキングテープでマーキングします。頭部側にはビス止め穴位置計測基準点をマークします。


基準点からビス穴までの距離を測って、その数値を台にマークします。


マークした位置にドリルで穴を開けます。多少のゆがみ、誤差などを考慮して少し大きめの穴にします。


裏返して、ビスの頭が収まる穴を開けます。


ビスでアスカを固定して惣流・アスカ・ラングレー(スクール水着)完成です!立ててある台はダイソーで購入した額縁スタンドです。



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